高専実践事例集
工藤圭章編
高等専門学校教育方法改善プロジェクト
1994/03/24発行

   


  
こんな授業を待っていた

   
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T人文・社会・外国語系の授業がいまおもしろい
  2. おもしろ授業戦略

 

 ●シミュレーション(119〜134P)

   楽しい経済学              吉利用邦    豊田工業高等専門学校助教授

     
   

 表題のように、楽しい経済学の話になるかどうかわかりませんが、以下の状況を設定して、経済学の学び方などを述べてみたいと思います。
 3人の学生が、先生の家に遊びにやってきました。3人の学生を、A君、Bさん、C君としましょう。A君は経済学が得意科目です。Bさんは経済学は好きですが、得意科目ではありません。C君は経済学を苦手にしています。さて、話がどの様に展開していくのでしょうか。

 

   

 A、B、C・・こんばんは。

 先生・・よくいらしゃいましたね。

 ・・・・駅の前に、パチンコ屋さんができたんですね。大繁盛でしたよ。儲るんですね。時間があれば、僕もやってみたかったですよ。あれだけ人が入っていると、それだけよく玉が出ることなんですから。

 ・・・・よく人が入っているから、よく玉が出るっておかしくない?

 ・・・・そうも言えるけど、やっぱり出玉率がよいと評判になって、人が集まるよ。

 先生・・すると、出玉率の悪いパチンコ屋さんは、出玉率をよくすることになるね。

 ・・・・出玉率をよくしすぎると、パチンコ屋さんは経営が成り立たないわ。

 ・・・・需要と供給の関係で、出玉率はどのパチンコ屋さんでも同じになるんだ。

 先生・・そうだね。風俗営業法などで、貸玉料や景品交換率はきびしく規制されているんだよ。

 ・・・・でも、出玉の好調な台を見つけたら、面白いほど入るんだ。

 ・・・・パチンコをするぐらいなら、ソフトクリームを食べる方がましだわ。

 ・・・・それはその人の好みによるさ。

 先生・・今君達の財布に一万円づつはいっていて、パチンコをすると5000円損するか、得するとしよう。Bさんはパチンコをしないで、一万円もとうとすることで危険回避的だし、C君はパチンコをすることで5000円か15000円のいずれかの所得を得るわけで、危険愛好的なんだ。

 ・・・・賭事をするのが好きな人、嫌いな人という意味でしょう?

 先生・・そうだね。

 ・・・・賭事の好きな人は賭事で満足を得る。満足=効用と考えて、満足を最大にする。でも、賭事の好きな人、嫌いな人では効用関数も違ってくるんですか?

 先生・・その通りだよ。期待効用関数といって、その形状は異なってくる。

 ・・・・A君てすぐ話を難しくするんだから。

 ・・・・バブルのとき、株に投資した人は、皆賭事が好きだったんだ。

 先生・・バブルてわかる。

 ・・・・泡のことでしょう。すぐはじけて消えるんだ。

 ・・・・株の泡て何ですか?

 ・・・・株の現実の価格ー合理的に説明のつく価格=バブルでしょう。合理的に説明のつく価格って何で
すか?

 先生・・企業の業績を反映した価格のことだよ。株価が市場で一人歩きをして、企業価値(ファンダメンタル)を越えて値動きしたんだよ。

 ・・・・どうしてバブルになったんですか。

 先生・・それじゃレーガノミックスから話してみようか。

 ・・・・レーガノミックス=レーガンエコノミクスの略で、レーガン大統領の経済政策のことなんだ。

 ・・・・そんなことわかっているわ。私に説明させて。 減税政策、マネーサプライの抑制、国防費の増大の3本の柱からなっています。

 ・・・・マネーサプライて何ですか?

 先生・・非金融民間部門の保有する貨幣の総量であって、現金、預金、定期性預金などの通貨の総残高を表すものなんです。

 ・・・・M1、M2、M3 のことでしょう?

 ・・・・政経の授業で、貨幣の機能のところでやったのを思い出したぞ。でも、景気がよくなると、マネーサプライは増える。増えすぎるとインフレになる。難しいですね。

 先生・・そうなんです。ですから、各国の中央銀行は、金融政策の中間目標として銀行の貸出額や貸出金利に代えて、マネーサプライの目標値にマネーサプライをコントロールするようになりました。

 ・・・・マネーサプライを体の血液に例えると、体を動かすと血液循環もよくなることかしら?

 ・・・・今日は馬鹿に頭の回転がよいね。早く話を進めようよ。

 先生・・ラッファー教授が、ワシントンのレストランでフォード大統領の側近の質問に答えて、ナプキンに書いた単純な曲線のことを知っていますか?

 ・・・・税率が上がると税収は増えるが、ある一定の税率を越えると税負担が重くなり逆に税収が減る。

 先生・・よく憶えていたね。後に、ラッファーカーブと呼ばれ、同時にサプライドエコノミックという言葉もひろまつていったんだ。Bさんがまとめてくれたように、一九八一年に就任したレーガン大統領は、第二次オイルショツク来のスタグフレーションを克服するため、減税、規制緩和、歳出削減、マネーサプライ抑制を柱とした経済再建計画を発表したんだ。できるだけ政府の役割を小さくして、自由競争と市場原理に基づき民間経済を活性化することにあった。

 ・・・・スタグフレーションて何ですか?

 ・・・・あら。スタグネーション(景気停滞)とインフレーションの造語で、不況にも拘らず物価が上昇することだわ。

 ・・・・そうなんだ。1970年代以前は、景気が良くなると物価が上がると言うことで、失業率と物価の間にはトレードオフの関係があったんだ。

 先生・・なかなか皆やるじゃないか。フイリップス曲線の原則にスタグフレーションの現象は反するわけで、フイリプス曲線が右上方にシフトしたと理解されるんだ。ここまで話が進めば、サプライサイドエコノミックスのストーリーを誰か述べてくれないか。

 ・・・・僕がやってみます。減税すると雇用者所得が増えて貯蓄が増える。減税すると法人留保が増えて投資が増える。貯蓄が増えることで利子率は低下し、投資が増える。景気は拡大して、所得が増え、税収が増える。

 先生・・その通りだよ。C君なかなか論理的に考えるではないか。

 ・・・・これまで、経済学て難しいと思い込んでいた嫌いがあったんですね。

 先生・・実際は、上のストーリのようにはいかなかつたわけだ。それは、70年代末、二桁インフレと高率の失業率が、普遍していたんだ。Bさん、実際のスートリーを考えてみない?

 ・・・・私できるかしら?減税する。当時はインフレなのでインフレ期待感も高く、貨幣価値が目減りする。逆に、耐久消費財などの消費が増える。輸入が増える。貿易収支が赤字になる。

 先生・・加えて、歳出削減が進まず、社会保障費や国防費が増大していつた。減税で税収は上がらず、財政赤字が拡大していく。マネーサプライが抑制されていたので、民間資金の需給が逼迫し、利子率が上昇していく。A君続けてごらん。

 ・・・・外国資本が流入する。ドル高になる。輸入が増え、輸出が減る。経常収支の赤字が拡大する。

 ・・・・なぜドル高になるんですか?

 ・・・・日本がアメリカの債券を買うとしたら、円をドルに交換して、債券を買うだろう?当然、外国為替市場で円売りドル買いの取引が増えるからだよ。

 ・・・・アメリカに流れた資金はどうなったの?

 先生・・財源不足を補うために赤字国債が発行され、その資金源になったわけだ。赤字国債でもって、財政支出が拡大されると利子率が上昇して、民間投資が減少してしまう。これを、クラウデングアウト効果と言うんです。

 ・・・・どうして、利子率が上昇するのですか?

 ・・・・買いオペレーションの方法で、公開市場操作をするからなんだ。

 先生・・ところで、財政赤字と、経常収支の赤字を双子の赤字と言っているんだ。輸入が増え、対外借入れが増えると累積債務も増大していく。アメリカは世界一の借金国になってしまったんだよ。

 ・・・・このままだと、アメリカの経済が破綻してしまうよ。

 ・・・・ドルの価値が下がると、誰もドルを持ちたがらくなるわ。

 先生・・そうだね。クルッグマン教授が、「このままアメリカはドル高を維持していけるか」と言う論文を書いたんだ。これを、サステナビリテイ問題といって、持続可能性という意味なんだ。

 先生の奥さん・・お茶が入りましたけど。

 先生・・ここで、コーヒーブレイクにしよう。

 先生・・さあ、続きを始めようか。

 ・・・・難しいところもあったけど、話は面白くなってきたぞ。

 先生・・そこで、85年9月アメリカ、イギリス、フランス、西ドイツ、日本の五カ国の大蔵大臣と、中央銀行総裁がニューヨークのプラザホテルに集まって、会議を開催したんだ。そこで、為替レートをドル安にするため、各国が協調して市場介入をすることの合意がなされたんだ。これを、プラザ合意と呼んでいる。 

 ・・・・実際円高、ドル安になったんですか?

 先生・・なったとも。85年9月1ドル=240円が、86年末には1ドル=150円にもなったんだ。

 ・・・・それでアメリカの経常収支は、改善されたんですか?

 先生・・残念ながら、赤字は87年まで拡大していくんだ。その理由は後で考えることにして、管理相場制後の大幅なドル安が、アメリカ経済にどんな影響を与えたと思う。

 ・・・・輸入インフレ懸念をもたらし、金利などが上昇するんですか?

 先生・・その通り。一方、日本や西ヨーロッパ諸国は需要が減退して、日本の場合輸出産業にデメリットを与え、円高不況がもたらされたんだ。

 ・・・・日本や西ヨーロッパ諸国の景気がよくならないと、アメリカの輸出も増えないので、アメリカの経常収支は改善しませんよね。

 先生・・そこで、87年2月イタリアを除くG7がルーブルに集まり、これ以上の為替レートの変化は、各国にとってよくないとして、為替レートの安定化をはかることで合意したんだ。その後、87年10月19日(月曜日)、ニューヨーク株式市場で株価が大暴落をする。ブラックマンデーと言っている。ダウ平均は1日で、508ドルも急落したんだ。ところで、ドル安になっても何故アメリカの経常収支は改善されなかたのかな?

 ・・・・円高で考えてみます。1ドル=200円の時、1台20万円のテレビ1万台を輸出するとします。ドル建てだと、1台当り20万円÷200円=1000ドルで、1000ドル×1万台=1千万ドルの売上額になります。1ドル=100円になると、2000ドル×5000台=1千万ドルの売上額になるので、5000台以上輸出すると、輸出額は増えます。一方、輸入額は、ドル建て価格は変わらなくても、円建て価格は安くなっているので増える。この場合、ドル建て輸出額以上に輸入額が増えると、日本の経常収支の黒字は減少し、アメリカの経常収支は改善されることになります。

 先生・・よくできたね。A君が述べたことを式で表わしてみましょう。輸出や輸入が価格にどれだけ敏感に反応するかを弾力性で示すんです。1より大きいと敏感に反応し、1より小さいと反応は小さい。すると、輸出の価格弾力性値+輸入の価格弾力性値∨1を満たすと、円高によって貿易収支は改善されるんです。これを、マーシャル=ラーナーの条件と言います。

 ・・・・すると、日本の場合マーシャル=ラーナーの条件は満たしてないのですか?

 先生・・長期的には満たされるが、短期的には満たされてない計測結果が出でいます。それに、円高になってもドル建て価格に丸丸転嫁するのでなく、減量経営や効率的な生産方法をして、転嫁率を低く抑えてきたのです。加えて、円高期待感が強まると、輸出企業は先々の輸出契約を早く結ぼうとする。輸入企業は、遅らせようとする。すると、一時的に貿易収支は増大する。これを、Jカーブ効果と言います。

 ・・・・円高になっても、アメリカの経常収支の赤字が拡大したことに、他の理由はないのですか?

 先生・・あるんです。80年代の前半、ドル高と金利の上昇で、製造業は投資意欲を減退させたり、生産拠点を海外に移転させてしまったんです。ですから、ドル安になっても、瞬時に供給能力を回復することができなかったんです。これを、ヒステレシス(履歴)効果と言います。これは、物理からきた言葉で、例えば、釘に磁石をつけしばらく置いておくと、磁石を離しても釘はしばらく磁力を帯びているんです。それにしても、日本はアメリカに輸出額の三分の一をしており、1000億ドルを越える貿易黒字を抱えています。国際協調を進める上で、新しい方向転換を進める必要がありました。故前川春男日銀総裁を座長にして諮問機関から出された前川レーポートにそのことが示されたのです。それは、対外的には直接投資、経済援助の国際貢献、体内的には内需主導型の経済で、国民生活の質の向上、住宅環境整備、労働時間の短縮を目指すものでした。ところで、日米の対外不均衡を貯蓄投資バランス(ISバランス)を使うとうまく説明できるんです。

 ・・・・その貯蓄投資バランスて何ですか?

 先生・・一年の時、国民所得の概念で話したことを思い出して欲しいんです。GNPを需要と供給の側面で捉えるとどうなる?

 ・・・・まず、需要で考えると、家計の需要+企業の需要+政府の需要+外国の需要で、供給で考えると、国内の最終生産物+外国の供給です。

 先生・・C君が述べた各項目の内訳はどうなっているかな?

 ・・・・家計の需要=民間消費(C)、企業の需要=民間投資(住宅投資+設備投資+在庫品増加)(I)、政府の需要=政府支出{政府消費+政府投資(公的固定資本形成+公的在庫品増加)}(G)、外国の需要=輸出+海外からの所得(X)、外国の供給=輸入+海外への所得

 先生・・GNP=Yとあらわすと、Y=C+I+G+X−Mとなるね。また、君達のお父さんが稼いだ所得を考えてごらん。税金を払ったり、いろいろな物を買って残りを貯金する。それをマクロ的に考えると、Y−C=S(貯蓄)と定義して、T(租税)の分は需要できないので、上の式の右辺から引くとどうなるかな?

 ・・・・(S−I)+(TーG)=(X−M)です。

 先生・・そうだね。左辺の最初の括弧は民間の貯蓄投資バランス、二番目の括弧は政府の貯蓄投資バランス(財政収支)を表しているんだ。右辺は、経常収支だね。

 ・・・・この式が妥当すると、アメリカは貯蓄が不足しているからS∧I、財政赤字なのでT∧G。すると、X∧Mで経常収支は赤字になる。日本の場合、経常収支は黒字だからX∨Mで、財政収支はほぼ均衡と考えてよいのでT=G。すると、貯蓄投資バランスはとS∨Iになっている。

 先生・・それでいいですね。別の見方をすると、内需=C+I+G、外需=X−Mで表せば、Y−内需=外需になりますね。この式をアブソーブションアプローチと言いますが、日本の場合、外需∨0でY∨内需になっています。以上述べたことから、どんな事が読み取れますか?

 ・・・・日本では、国内で生産されたものが消費尽くせられず、その分輸出することになっていますね。アメリカは、この逆です。

 先生・・そうですね。経済成長に対して内需と外需がどれだけ寄与しているかを、内需寄与度、外需寄与度で表しますが、80年代前半までは外需の寄与度が高く、日本の経済の繁栄は、 輸出に依存するところが大きかったのです。

 ・・・・現在はどうなっているのですか?

 先生・・海外直接投資が増加しているんです。人件費の安い東南アジアへ加工、組立産業を移すとか、貿易摩擦を避けるため現地生産をするとか。80年代後半からは、むしろ内需主導型の経済に変わっていきます。このところを詳しく話しますと、いっこうに経常収支の改善されないアメリカは、日本に対していろんな要求をしてきます。内需拡大や、不公正貿易に対する対抗措置を決めたスーパー301条、更には制度の公正さや参入の自由までも求めてきました。90年には、日米構造協議を交渉の場とするようになりました。内需拡大の要求に対して、87年2月には公定歩合を2.5%にまで下げ、超低金利時代が89年5月まで続くことになります。低金利ですから、銀行から資金をどんどん借りて、個人投資家だけでなく企業までもが財テクブームに走ったのです。土地、株、絵画取引が財テクの目玉になりました。85年から90年間で、不動産業が土地購入に当てたお金は、28.2兆円、企業が株式投資のため資金調達(エクイティファイナンス)した額は91兆円にのぼるのです。ところで、エクイティファイナンスについて、説明しておきましょう。額面株50円に付き配当金5円とします。その株の時価を2000円とし、発行増資が行われたとします。市場金利を4%とします。株価は、市場で幾らの値を付けなければならないですか。

 ・・・・2000円を銀行に預けると、2000×0.04=80円の利子が付きます。配当金5円貰っているので 80 - 5 = 75円の値上がりが必要です。

 先生・・まだ受け取っていない75円を銀行に預けたとして、75×0.04=3円で、2075円+3円=2078円以上値上がりすると、株式投資の方が徳だということになりますね。企業は、5円の利払いで2000円の資金を集めることができるのです。株価の上昇は、個人消費に対する資産効果も与えました。

 ・・・・輸入乗用車や貴金属など買いあさつたり、ティファニーでブランド品を買い占めた事ですか?

 先生・・それだけではありません。三菱地所がニューヨークのロックフェラービルを買ったり、ソニーがアメリカの映画会社コロンビアの買取りをしたのです。国内の余剰資金が海外にも流れていき、海外不動産投資や海外投資に当てられていったのです。経常収支の黒字分と企業の海外投資は、ジャパンマネーと呼ばれ、キャピタルゲインを求めて欧州を流布したり、発展途上国への資金貸付に当てられていきます。では、なぜバブルは崩壊したのでしょう?

 ・・・・いままで述べてきた事の逆を言えばよいのですから、株価が下落して消費に対する逆資産効果と、企業の資金調達コストが上昇した。

 ・・・・どうして株価が下落したんですか?

 先生・・企業の生産設備や住宅が供給過剰になり、耐久消費財も高い水準で普及してきた。当然、ストック調整がおきる。そのため、マネーサプライも低水準になり、92年9月には対前年比で10.4%の伸びになったんです。東京一極集中に始まる地下の高騰、株価の高騰に対して公定歩合が6%に引き上げられました。株価が下落した理由は、もう判ったと思います。

 ・・・・株に投資するより、預金する方が徳ですね。

 先生・・株価が下落した事で、金融機関の自己資本比率(BIS基準)も低下し、貸し渋りがおきたのです(クレジットクランチ)。

 ・・・・企業が資金調達の際、発行した転換社債やワラント債の償還期限がくると、借入金返済のため株を売らざるをえなくなる。それで、また株が下がる。

 ・・・・それに、地価が下がると不動産は多額の銀行からの借入れ額を返せなくなる。銀行は不良債券を抱えることになる。バブルがなぜ弾けたかよく判ったぞ。

 ・・・・そろそろおいとましなくちゃ。

 先生・・どう、経済学を学ぶ場合、頭の片隅に現実の経済の動きを捉えておくことが大切なんです。そのためには、日本経済新聞はかがせない情報源なんです。日米経済摩擦に付いて触れることはできませんでした。日本とアメリカでは景気が悪化すれば、その対応の仕方も異なる。アメリカはすぐレイオフするが、日本は雇用や生産を維持しながら、価格を下げて対応をする。また、日本の企業は、利潤を追求するよりシェアを拡大するのを追求する。企業間の下請け関係、メーカーと問屋小売店との系列関係などは、外国企業の参入の壁になっています。外国は日本に市場解放を求めているし、一層の国際貢献を期待しているのです。 

 A、B、C・・・・これから経済学を勉強して、いろんな事を知りたくなりました。 

 先生の奥さん・・もうお帰りですか。またいらしてください。         

 A、B、C・・・・楽しい経済学の話ありがとうございました。 

 

 状況の設定は先生宅に遊びに来て、雑談からバブル経済の生成と崩壊、日米経済摩擦にまで話題が言及していく。同様のことは教室でも可能であろう。私もこれに近い授業を実践しょうと試みてきた。その際、教師は授業のストーリーをあらかじめ組み立てて置く必要があろう。学生達に問題提起をし、その解決策を求めていく。ストーリー通り授業は展開しないかも知れない。いろいろな見方が出てきて、学生達自身が問題を見つけ出してくれれば成功したと思う。また、軌道より大きく逸れれば、修正も必要となろう。教師にとって大切なことは、ストーリーの流れをその都度板書してストーリーの流れを確認させておく。統計等の資料も準備しておくことだろう。

 

 
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